例えば泥棒が一つのお宅に侵入しようとしているとします。
その時、泥棒の頭の中で一番大切だと思っていることは何でしょうか?
・沢山お金があればいいな~。
・高い貴金属があればいいな~。
・今日も無事捕まらなかったらいいな~。
答えは「今日も無事捕まらなかったらいいな~。」です。
それは何故でしょうか。もちろん、沢山お金が取れれば申し分ありませんし、貴金属を処分できる能力のある泥棒なら、それもまた嬉しいに違いありません。しかしながら、結局捕まってしまえば、元も子もないのです。 泥棒は「累犯」(るいはん。何度捕まってもまた同じことを繰り返す)が多い犯罪種別ですから、捕まったらどんな嫌なことがまっているか知っています。
また、まだ捕まった経験の無い泥棒でも、シャバ(一般世間のこと)での生活から、囚われの身になった場合の不自由さは簡単に想像できます。
だから、泥棒にとっては絶対捕まるないことが一番重要なのです。(っと言う話をしている私が居るということは、結局は捕まっているのですが・・・。)
これは当たり前の様に思うことですが、これが実は「防犯」を考えるときに結構重要なポイントになるんです。私は「防犯できているかどうか」は比較競争です。とよく言います。
泥棒にとって家の中にお金があるかどうかは、超能力者でもない限り分かるわけがありません。 せいぜい経験則上「ありそうか、なさそうか」と言う想像の世界に、自分の将来をかけるほど馬鹿じゃありません。
泥棒は、「入りやすくて逃げやすい家」に好んで入るのです。
その理由は「入りやすい=侵入時間がかからない・第三者の目につきにくい」また、「逃げやすい=自分が安全に逃げ切ることができる」=捕まらない。と言う方程式が成り立ちます。こういう思考に立って防犯を考えてみると、泥棒が下見をしているのは、「入りやすそうか?」「逃げやすそうか?」にプラスして、今「留守か?」を見ていることが分かりますから、隣近所の家と比較して「入りやすそう」で「逃げやすそう」であれば、先ずは貴方の家に入ってみますよ、といえます。