大阪府警20年の経験、特に留置場の看守時代の経験から、犯罪者自身から聞いた「泥棒の心理」「泥棒の手口」を元に、「泥棒の目」から見た「住宅防犯対策」についてシリーズでお届けします。
防犯の常識は数々ありますが、私は「日本人の防犯常識は非常識」だと思っています。
それは、犯罪者から聞いたのではなく、警察統計から想像したことを主に、犯罪者の気持ちを無視して結果の真実の一部である数字と、目に見える手口だけから考えられたことなので、一部であっても現実から乖離(かいり)していることがあると言う点です。 これはいたし方ないことです。誰も泥棒の友達が沢山いる!と言う人は少ないはずで、彼ら特有の心理状態は分かるはずが無いのです。
ワインを選ぶときにソムリエに選んでもらうのは、ソムリエのワインの知識と飲のだ経験に信頼を置くわけですが、防犯の世界では実は犯罪の知識と経験よりも、警察統計の数字と想像と防犯機器の知識で語る訳ですから実は少しずれが生じてくることは仕方ないのです。
ですから、私はこれまで百数十回全国各地で、業者様や一般の方に「防犯セミナー」を開催して、現実を知ってもらう活動を続けてきました。
まず、犯罪者目線で物を考えてそれに対抗することが、最も「安価」に、そして「確実」に防犯(犯罪を予防する)ことに繋がると信じております。
日本から防犯業が無くなってもいい。それよりも私が信じる「本当の防犯」を一人でも多くの方に知って頂きたいというのが心からの願いです。
尚、同じ泥棒でもここで触れているのは「忍び込み」ではなく、一般的に多く見られ初心者の泥棒でもできる「空き巣」について書かせていただいていることを、予めご理解下さい。(犯罪種別によって犯罪者像は変わります)
※ ここには、私の知っていることを余すことなく出しております。もし企業様等で必要であればご活用いただく事に何ら問題はございませんが、ご利用頂く前に「どこに、どういう目的で、どれを使う」かをお知らせの上、転載許可をお取りください。(場合によっては転載をお断りすることがあります。)