我々は取り調べ時や、留置場生活の中での会話で泥棒達の実態を本人から聞きますが、泥棒家業に「空振り」はつき物なのです。テレビや防犯のプロ達のお話を聞いていると、まるでプロは外から見て「お金がありそうかどうか」「どこに隠されているか」が分かる様な話になっています。
当然、何事もプロになるとある一定の「カン」が働いて・・・ということもありますが、超能力者でもない限り他人の家に「金があるかどうか」「どこに隠されているか」なんて分かるわけもありません。
現実の泥棒の話で、プロ中のプロと言われる泥棒が入った家の事件が報道されて、盗まれた以外に多額の現金があったが無事だったと言うニュースを聞いて、やけ酒を飲んだという話をしていました。
「空振り」が結構あるのは当然なのです。
また、世間で防犯のプロが「下見を何週間もしていた・・・」などの話をしますが、まずはありえないです。何故かと言うと、考えてみてください。家の外から張り込みして下見をしたところで、分かるのは家族構成と生活パターン位のものです。「下見を何週間もした」と言うとドラマチックで、また「怖い」と思うから言うだけで、家族構成・生活パターンが分かったところで、肝心な「お金があるかないか」「どこにあるか」なんて入ってみないと分からないということは、子供でも分かることです。
もし、肝心なことが分からないのに何週間も下見をして、いざ入って「空振り」だったら、泥棒は飢え死にしてしまいます。だから、そんなことをすることは意味がないのです。
下見はします。それはせめて数日後に「どの町にいくか」や、今から「どの家に入るか」の下見が圧倒的に多いと言う「事実」が重要です。
ここで「空振り」が多いと言う「事実」から浮かび上がってくることは、「空振りかもしれないのに、大きなリスクは背負えない」と言うこと。ローリターンの商売には、ローリスクしか背負えないと言うことですね。
ですから、なおさら「肝心な場所」に「肝心な設備を設置」して、下見に来た泥棒さんに、「ここは狙いにくい家だな~」と思わせたら、かなりの確率で「安心」だということになります。
ここは是非とも押えておいてくださいね。